【腰痛におすすめの運動3選】科学的に腰痛を改善・予防する運動を紹介!

当サイトはアフィリエイトプログラムにより収益を得ています

日本腰痛学会の報告では3人に1人は腰痛で悩んでいるといわれています。腰は人体の中心であり、多くの動作に関わってくる部位であるため、腰痛があるだけで生活の質が大きく低下してしまいます。

それでは、その腰痛を予防、改善するためにどのような対策をとったらよいのでしょうか?

私は理学療法士として腰痛を患う患者さんのリハビリを多く経験してきました。

この記事では私の理学療法士としての経験から、エビデンスに基づいた、腰痛を予防・改善する運動方法をご紹介します。また、運動だけではなく腰痛の原因や、日々の姿勢の重要性なども解説しています。

この記事を読むことで現在腰痛がある人や、今後、腰痛を予防したい人がどのような運動を行えばよいのかが理解しやすくなるはずです。

結論として、腰痛がある人はストレッチ・筋トレ・有酸素運動を行い、日々の姿勢や体型を整えることが腰痛の対策となります。具体的に解説しますので、最後まで読んでいただければ幸いです。

目次

腰痛の原因は?

そもそも、腰痛にはどのような原因があるのでしょうか。一口に腰痛と言っても、腰痛はさまざまな原因から引き起こされます。日本腰痛学会によると腰痛の原因は、脊椎と運動器由来・神経由来・内臓由来・血管由来・心因性の5つの原因に分類されています。以下には、その中でも代表的な腰痛の種類をお示しします。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎の椎間板の中にある髄核が何かしらの理由で押し出され、椎間板が突出することで神経が圧迫されることを腰椎椎間板ヘルニアと呼びます。神経が圧迫されることで腰痛を生じますが、お尻からふくらはぎにかけての痛みが主体となります。

治療法は、痛み止めの湿布や注射・内服・運動などの保存療法が最初に選択されますが、保存療法で改善しない場合や早期に痛みを改善したい方には手術が検討されます。

腰部脊柱管狭窄症

神経の通り道である脊柱管が狭くなり、脊柱管の中にある神経が慢性的に締め付けられ、神経症状が出る状態を腰部脊柱管狭窄症といいます。脊柱管が狭くなる原因は加齢に伴う靭帯の肥厚が代表的です。

症状は腰痛というよりは足のしびれやだるさを感じることがほとんどです。特に間欠性跛行と呼ばれる、歩くときに足の痛みや痺れが生じ、休憩すると改善するといった症状が特徴的です。

治療方法は腰椎椎間板ヘルニアと同様、運動・薬物などの保存療法が最初に選択され、改善しない場合に手術療法が選択されます。

圧迫骨折

加齢に伴い骨の量は減少し、骨折をしやすくなる状態を骨粗しょう症といいます。この骨粗しょう症は閉経後の女性に多く見られることが特徴的です。そして骨折が腰椎に起こると腰椎圧迫骨折となり、痛みを引き起こします。

治療方法は手術が行われることは少なく、コルセットの装着や痛み止めがほとんどです。

ぎっくり腰(急性腰痛)

急激に強い腰痛を生じるため、急性腰痛とも呼ばれます。一般には椎間板に微細な亀裂が入った状態とされていますが、病態ははっきりとしていません。

1週間程度で改善するため、湿布などの痛み止めで治療されます。

脊椎の周囲からくる腰痛(筋肉・内臓など)

年齢と共に、体幹の筋肉(腹筋、背筋)が落ちると、姿勢が悪くなり腰痛の原因となります。筋肉量の低下は腰痛の程度と関連があるため、運動不足・肥満・病気による筋量低下に対しては、運動や活動性を維持することがとても重要です。

また、内臓疾患や女性の場合は妊娠でも腰痛を発生することがあります。その場合は、無理に運動などをせずに、早めに主治医に相談することが大切です。

参考HP:日本腰痛学会(https://www.jslsd.jp/knowledge/category

PT-Nao

腰痛になる原因はたくさんあるよ!

腰痛でも運動をしていいのか

腰が痛いときは、安静にしていた方がいいと思う方も少なくないと思います。実際に腰を痛めた直後など、急性期と呼ばれる時期は安静にしていなければならない時期もあります。

しかし、安静にしているだけで腰痛は改善するのでしょうか。ここでは、運動をした方がいい腰痛と、しない方がいい腰痛について解説をします。

安静にしてればいいわけではない

まず、腰痛は安静にしていればいいわけではありません。原因がよくわからないような腰痛は非特異的腰痛と呼ばれ、動けるようになれば徐々に動いた方がよい種類の腰痛とされています。

病院にかかって検査をしても、腰痛の原因がはっきりしない場合は、医師に確認して少しずつ身体を動かしてみましょう。

運動をしない方がいい腰痛もある(レッドフラグ)

腰痛にはRed flag signと呼ばれる、がんや脊椎炎などの重篤な疾患を疑う腰痛もあります。この場合は運動はせずに、医師の診察が必要です。以下に、Red flag sign特徴を上げます。

  • 年齢50歳以上
  • がんの既往
  • 原因不明の体重減少
  • 1か月の治療で軽快しない腰痛
  • 休息により改善しない腰痛
  • 膀胱直腸障害
  • 一側または両側の下肢筋力低下
  • 長期のステロイド内服

※疾病救急での臨床推論より引用(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/12/108_2454/_pdf

上記のような兆候が見られた場合は運動をする前に速やかに病院を受診しましょう。

PT-Nao

運動していけない状況でなければ積極的に運動をしていこう!

腰痛にはどのような運動がいいのか

それでは、運動をした方がいい腰痛の場合はどのような運動をしたらよいのでしょうか。ここでは主に3つの運動を紹介します。結論から述べると、ストレッチ、筋トレ、有酸素運動が腰痛予防、改善の運動としておすすめです。

ストレッチ

まずストレッチです。立っているときに骨盤が過度に前や後ろに傾いていると、腰痛の原因となります。この骨盤の傾きの原因は、骨盤から太ももにかけて走行している筋肉の硬さが原因であることが要因の一つです。

腰痛の種類によって、ストレッチをすべき部位は変わりますが、ここでは腰痛予防のストレッチとしてはメインとなる3つの筋群のストレッチをご紹介します。

※ストレッチ画像引用元:腰痛に対する運動療法ー理学療法的視点からー

ハムストリングス

大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋からなる筋群をハムストリングスと呼び、主に骨盤から下腿の骨である脛骨に繋がる筋群です。この筋肉が固くなると骨盤が後ろに傾き猫背のような姿勢になるため、腰痛の原因となります。ストレッチの方法は下の写真の用に、台などの上に膝を伸ばしたまま体を前方に傾けます。

ハムストリングストレッチ

太ももを内側や外側に傾けることで、外側や内側ハムストリングスを選択的にストレッチすることもできます。

腸腰筋

腸腰筋は腸骨筋・大腰筋・小腰筋からなる筋群で脊椎や骨盤から大腿骨に繋がっている筋肉です。骨盤が前傾し腰が反るような姿勢になっている方はこの筋肉が固くなっていることがあります。ストレッチの方法は下の写真のように、太ももの前側を伸ばすことを意識するようにストレッチをしていきます。

腸腰筋のストレッチ

体が前後に倒れたりしないように、真っすぐ伸ばすことを意識しましょう。

腰背部・大殿筋

腰や背中の筋肉やお尻の筋肉のストレッチも腰痛予防や改善には重要です。下の写真のように、仰向けになった状態から膝を抱きかかえるようにして、お尻の筋肉を伸ばしたり、そのまま左右に傾けることで背中の筋肉を伸ばしたりします。

腰背部のストレッチ
大殿筋のストレッチ

このとき反対の足を床に押し付けるようにして、太ももの前側の筋肉の伸長を意識することも大切です。

筋トレ

筋トレは主に体幹(腹部・腰背部)の筋力を鍛えることが大切です。それらの筋肉を鍛えることで、骨盤の過度の傾斜を防ぎ、正しい姿勢で立つことができます。

ここでは、「痛みが残っている時期」「初級レベル」「中・上級レベル」の体幹筋トレーニングを紹介します。腰の状態に応じて少しずつレベルアップしてみてください。

痛みが残っている時期

当然ながら、この時期に強度の強い運動をしてはいけません。しかし、急性期を過ぎている場合は少しずつ軽めの筋トレをすることをおすすめします。

簡単に行える運動は仰向けになり、背中をベッドに押し付ける運動です。写真のように膝を曲げ、背中にタオルを挟み、背中で押さえつけるようにお腹に力を入れます。

痛みが残っている時期

仰向けでなくても壁にもたれるように座って、壁を背中で押すような運動でも問題ありません。ご自身にとってやりやすい方法で運動をしましょう。

初級レベル

痛みがなくなれば、筋トレの強度を少し上げてみましょう。写真のように四つ這いになり、一方の腕を上げ、反対側の足を上げます。

脊柱起立筋のトレーニング(初心者レベル)

多裂筋と呼ばれる脊柱起立筋の深層にある筋肉のトレーニングになり背部の安定化につながります。

中・上級レベル

腰痛予防や改善だけであれば初級レベルだけで十分ですが、初級レベルで物足りなくなってきた人はさらに強い強度にチャレンジしてみましょう。写真のように肘付きで膝をつかずに一方の足を上げたり、腕上げを付け加えたりします。

脊柱起立筋のトレーニング(上級者レベル)

強度が上がる分、筋肉痛になったりする可能性もあります。初級レベルがしっかり行えるようになってから上級レベルに挑戦をしましょう。

有酸素運動

「有酸素運動は腰痛の予防に関係あるの?」と思う方も少なくないと思います。海外の研究では、ジョギングやウォーキング・自転車運動などの有酸素運動は内因性オピオイド系や下行性疼痛抑制系と呼ばれる痛みをコントロールする物質や作用の活性化により鎮痛作用が働き、運動後には疼痛閾値が改善することが報告されています。

有酸素運動は一般的に行われている運動で十分です。下記に代表的な運動をご紹介します。

ウォーキング、ジョギング

ウォーキングやジョギングは特別な道具が必要なく、その身一つで行える始めやすい有酸素運動です。普段から運動習慣が無い方や腰痛が治ったばかりの方は、強度の低いウォーキングから始めましょう。腰痛がほぼ無く、元々運動習慣があるような方はジョギングから始めてみてください。

歩く速度は時速4~5㎞/hの一般的な速度から始めましょう。慣れてきたら、少しずつ6㎞/hくらいまで上げてみてください。30分で3㎞くらいの速度になります。運動としてはこれで十分です。

坂道などは腰の負担が強く出るため、ジョギングは公園などの平坦な道をゆっくり走ることをお勧めします。速度は時速8㎞/hくらいからと言われていますが、最初はもっとゆっくりでもいいと私は考えています。

私にも経験がありますが、最近ほとんど走っていない、という方がいきなり走ると、体の負担がかなり強くなります。そのため、久しぶりに走るときは、歩くくらいのスピードでゆっくり走る気持ちで始めましょう。

自転車運動(エアロバイク)

次におすすめする運動はエアロバイクを用いた有酸素運動です。天候や気温を気にせずに行えるため、ジムに通う習慣がある人や自宅にエアロバイクを置くスペースがある方はぜひ活用してみましょう。

自転車運動は腰が自然と前傾姿勢になりやすいため、運動中の腰痛は出現しにくく、長時間の運動が可能です。

脈拍を測りながら運動し、強度を設定することをおすすめします。まずは運動時の脈拍=160-年齢とし、疲れ具合をみて少しずつ調整しましょう。例えば40歳の方であれば120拍/分、50歳の方であれば110拍/分です。

有酸素運動についてはこちらの記事でもより詳しく解説しています。是非ご覧下さい。

PT-Nao

やり過ぎで腰を痛めることもあるから運動は少しずつやろう!

腰痛予防には姿勢も大事

腰痛を予防、改善するには日々の姿勢を正しく保つことが非常に重要です。主に骨盤が後ろに傾いて、膝が曲がり、猫背のような姿勢になっていると腰痛は出現しやすいとされています。

安静時と動作時でどのような姿勢が良いかを以下に解説します。

安静時の姿勢

座っている姿勢を長く続けると腰痛は出現しやすいとされています。その中でも、座った状態で骨盤を後ろに傾けて背もたれにもたれるような姿勢は腰痛が出現しやすい姿勢です。クッションなどを使用して、下の絵のように骨盤が前に傾くように調整しましょう。

理学療法ハンドブック シリーズ3 腰痛より引用

また、どれだけいい姿勢をとっていても長時間持続していれば腰痛は高い確率で出現します。1時間に1回は立ったり歩いたりして、座っている姿勢を長時間とらないようにしましょう。

動作時の姿勢

安静時の姿勢と同様に、動作時の姿勢もとても大切です。重量物を運搬する仕事や、我々のような医療・介護職には下の絵のような姿勢をとるような方が多いです。

理学療法ハンドブック シリーズ3 腰痛より引用

対象物を身体に近づける・重心を低くする・身体のひねりを少なくすることが改善のポイントです。下の写真のような姿勢を意識しましょう。

PT-Nao

前かがみになるときはお尻を突き出すような姿勢がいいよ!

腰痛予防には体型も大事

腰痛の出現には体型も強く影響をします。結論から申しますと、お腹が出ているような腹部肥満体型は腰痛が出現しやすい体型です。

腹部肥満があると、お腹が重いため腰を反らしてお腹を支えるような姿勢になってしまうため、 慢性的に脊柱や椎間板に負担がかかってしまいます。

また腹部肥満があると、体を前に屈めたときも、背筋がより大きな力を必要とするため椎間板により大きな負担がかかります。

これらの理由で腹部の肥満は腰痛の原因になりやすいとされています。このブログではこれまでにダイエット方法も解説しています。腰痛の原因となる腹部肥満改善の参考になれば幸いです。

PT-Nao

妊婦さんが腰痛を起こしやすい原因と一緒だね!

まとめ

この記事では、腰痛が起こる原因・運動をしていいのか悪いのか・腰痛におすすめの運動・体型や姿勢の重要性などを解説しました。

腰痛は長引くことも多く、日常生活を阻害する大きな要因です。腰痛がある方は、状態によっては腰痛がある→動かない→余計に腰痛が強くなる・腰痛が治らない→さらに動けなくなるといった悪循環に陥るケースも考えられます。

その状態まで悪化すると治療するには相当の時間がかかります。そうならないうちに腰痛がある場合は早めのケアを心がけましょう!

・腰痛には運動していい腰痛としない方がいい腰痛がある
・運動をするならストレッチ・体幹筋筋力トレーニング・有酸素運動をしよう!
・腰痛予防には姿勢と体型も大事!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次